楽景が最もやりたかった露地を作らせて頂きました!
長く掛かりましたが奥様の「楽しんでるならいいですよ~」というお言葉に随分助けられましたw
全くの更地からの作庭です
玄関の脇になる露地への入り口
手前の飛石はまだ浮世の部分
露地内
飛石と延べ段
蹲踞と躙り口
左写真の露地からみた図
こちらも左写真を逆から見た図
露地入り口から延べ段までは渡りにくい飛石を据え、浮世の気分を表現しています
延べ段からは一息つき、茶室に入るという気持ちに切り替えます
左写真右上は腰掛待合設置予定地
一緒にやりたかったのですが、いろいろあり保留になってしまいました
蹲踞は修業の場であるため、本来蹲踞に筧は付きません
楽景の提案を快諾して頂いた奥様に感謝です
既存の排水菅や給水管により設置位置が制限されましたが収まってくれました
また、玄関を入った突き当りの窓からも見える場所なので、坪庭の要素もあります
躙り口の前の踏石の右側にあるのは塵穴
簡単に言うとゴミ箱です
敷地に積み上げてあった瓦を使いました
茶室に入る前にゴミとなる思考や地位等を捨てる場所であり、亭主からは庭が綺麗に掃き清められているという合図になるもの
切った枝や枯れ枝などを飾り清潔であることを示します
奥様の作品の扁額が庭の雰囲気を作っていきます
この先、この庭は扁額に込めた奥様の想いと共に成長していきます
その他
露地としては目隠し以外の意味のない建仁寺垣ですが、扉の設置に苦労したのでご覧くださいW
一番の問題点は閂をどうつけるかと扉の重さです
大工さんに依頼すればよかったモノを自分でやったため2日掛かりでしたね(汗)
左は侘助椿(白)
露地内に茶室で使う花木を植えるのは興を削ぐ
と、たしか小堀遠州が言ったとか
竹垣は露地と外界の境界なのでギリギリ露地の外ですw
白が飛んでしまっていて分かりにくいですが
手前の飛石は椿の花を摘むための物
椿石とでも名付けましょかね
露地という場所なので派手な演出や奇抜なアイデアは要を成しません
今回のテーマは ”謙虚” で
殺風景で全てが主張しないという意図を持って作りました
勿論やれることはまだあったのかもしれませんが
楽景のキャリアとして大変勉強と自信をつけさせて頂いた現場でした
一生の中に2回でいいからやりたいと思っていた露地の工事
ここまでやらせてもらえる現場が今後あるかどうかというご依頼でしたが
ある処にはあるはずです、またやりたい!
そう思わせてくれる楽しい作庭でした
まだ、2期工事がありますので、楽しみはまだありそうです
設計施工 楽景
施工協力 笑市 清州園 夢庭